歯周病と老化はなぜ同じ病気なのか?
皆さま、こんにちは。大阪府豊中市にある中垣歯科医院です。
歯周病は「歯ぐきの病気」だけではありません。
歯周病というと、
・歯ぐきが腫れる
・歯みがきで血が出る
・口臭がする
・歯がぐらぐらする
といった口の中の病気をイメージする方が多いと思います。
しかし近年の研究によって、歯周病は単なる口の感染症ではなく、全身の老化と深く関係していることがわかってきました。
私は歯周病専門医として長年診療を続ける中で、
さらに抗加齢医学(アンチエイジング医学)を学ぶうちに、あることに気づきました。
それは、「歯周病と老化は、実は同じメカニズムで進行している」ということです。
老化とは何が起きている状態なのか?
私たちの身体は約37兆個の細胞でできていることをご存知ですか?
若い頃は細胞が元気なため、傷が治りやすい、疲れにくい、感染症に強い、骨や筋肉が維持される状態を保つことができます。
しかし、年齢を重ねると、慢性炎症、酸化ストレス、ミトコンドリア機能の低下、血流の低下、栄養不足、免疫機能の低下が起こり、細胞の働きが徐々に衰えていきます。これが老化です。
歯周病でも同じことが起きている
実は歯周病が進行している歯ぐきの中でも、まったく同じ現象が起きているのです。
つまり、歯周病菌が増えると、身体はそれを排除しようとして炎症を起こします。
本来であれば炎症は身体を守るための反応ですが、炎症が何年も続くと、活性酸素が増える、細胞が傷つく、コラーゲンが破壊される、骨が吸収されるという状態になります。
これはまさに老化した組織で起こる変化そのものです。
歯周病は「口の中の慢性炎症」
歯周病の本質は慢性炎症です。
歯周ポケットの中では、毎日細菌と免疫細胞の戦いが続いています。
この状態が何年も続くことで、歯肉が下がる、歯槽骨が減る、歯が揺れる、歯を失うようになります。
これは皮膚に例えると、何年も治らない傷が存在しているような状態です。
つまり歯周病とは、「口の中で起きている慢性老化現象」ともいえるのです。
歯周病が全身の老化を加速させる
さらに問題なのは、歯周病による炎症が口の中だけで終わらないことです。
歯周ポケットの内側には、多数の毛細血管があります。
歯周病によって炎症が起こると、細菌、細菌の毒素、炎症性物質が血流に入り込みます。
これによって全身の炎症レベルが高まり、「動脈硬化」「糖尿病」「心筋梗塞」「脳梗塞」「認知症」「誤嚥性肺炎」
などとの関連が報告されています。
近年では歯周病を持つ人ほど、生物学的年齢が高い可能性も指摘されています。
歯周病治療は「若返り治療」でもある
歯周病治療というと、歯石を取る、歯を磨くというイメージがあります。もちろんそれも大切です。
しかし本当に重要なのは、細胞が正常に働ける環境を取り戻すことです。
そのためには、歯周病菌を減らす、慢性炎症を抑える、酸化ストレスを減らす、栄養状態を改善する、良質な睡眠を確保する、適度な運動を行うことが必要になります。
これは老化予防の基本とも完全に一致するのです。
口の健康が寿命と若さを左右する「人は血管とともに老いる」といわれますが、
私は長年の臨床経験から、「人は歯ぐきとともに老いる」とも感じています。
歯周病と老化は別々の病気ではありません。
どちらも、慢性炎症、酸化ストレス、細胞エネルギーの低下という共通のメカニズムによって進行します。
だからこそ歯周病を改善することは、単に歯を守るだけではなく、全身の健康や若々しさを守ることにもつながるのです。
歯周病治療とは、「歯を残す治療」であると同時に、「健康寿命を延ばす治療」でもあります。
何かお困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。
米国抗加齢医学会・専門医American Academy of Anti-Ageing Medicine(A4M)
日本歯周病学会認定 歯周病専門医
医療法人OMSB 中垣歯科医院 院長 中垣 直毅





