Periodontal disease
例えば、歯肉からの出血(歯周病)が主訴で、歯科医院を受診した患者さんがいます。
全身疾患が無いかという問診で、通院・投薬中の高血圧の症状があり、それに歯周病が関与していることがわかりました。
このとき、患者さんが自覚している症状は高血圧のみです。
しかし水面下では、本人は気がついていないだけで、動脈硬化、糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞やアルツハイマーなど、
歯周病が関与している疾患が密かに始まり進行しているかも知れません。
トレポネーマ・デンティコーラ(T.d菌)とポルフィノモナス・ジンジバリス(P.g菌)はレッドコンプレックスと呼ばれている極悪歯周病菌の3菌種の内の2菌種で、NHKの健康番組「試してガッテン」で【ジンの輔】【ヘビ蔵】とあだ名をつけられてイラストと共にお茶の間レベルまで紹介された、今注目されている話題の歯周病菌です。
これらの悪玉細菌たちが、歯を支えている歯周組織(骨・歯肉)を破壊、歯周病を重篤化させ、全身の健康被害を引き起こしてしまうのです。
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鶴見大学歯学部探索歯学講座 花田信弘教授の報告によると、歯石取りを行った90秒後、腕から採血し、その血液を培養すると歯周病菌が検出されます。歯石取りにより、歯周病菌などの細菌が血流に乗って全身を巡る菌血症が起きている証拠です!
歯科医院で歯石取りや抜歯などの観血的処置(出血を伴う処置)を受けた直後の3日間は献血できないことをご存知ですか?
日本赤十字社は歯科で歯石取りや抜歯など観血的処置を行った後、3日以内の献血は受付けていません。
観血的処置時に傷口から侵入した口腔内の悪玉細菌(歯周病菌など)が血液内に3日間は残っているため、輸血を受けた患者さんに深刻な影響を及ぼす危険性があるからです。
このことは輸血を受けた患者さんだけでなく、歯石取りや抜歯などの観血的処置を受けた本人にも直接深刻な影響を及ぼすことを意味します。