Case

THP認定衛生士による症例

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当医院には9名の歯科衛生士が
在籍しています。
内4名が、歯周病治療の
高いスキルと知識を身につけた
THP認定の歯科衛生士です。

担当:歯科衛生士 NKさん

Case 2

重度歯周炎に対して
歯周外科治療をせずに
改善した症例

症例

患者様情報

患者
Aさん 男性 48歳 
会社員
主訴
  • 歯周病が気になる
    (出血 口臭 歯のぐらつき)
  • 最終的には歯を白くきれいにしたい
歯科的既往歴
小学生の頃、転倒により 左上1(上顎左側中切歯)を脱臼し、整復固定。
その後自覚症状なく経過。
2年前より両隣在歯の動揺を自覚し、家の近くの歯科医院で応急処置として 左上2(上顎左側側切歯)、左上1(上顎左側中切歯) 、右上1(上顎右側中切歯)をスーパーボンドにて暫間固定。 
歯周病に関しては進行しているため専門の歯科医院を受診するよう勧められ当院受診。
喫煙歴
20歳~32歳まで喫煙歴あり

診断と治療計画

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    治療前の口腔内写真

  • 歯根が割れている抜歯適応の歯

    治療前のレントゲン写真

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歯石が付着していますが、この状態で歯石取りを行うととても危険!!!
歯石取りよりもまずはお口の中の菌の状態のきれいにしていくことが大切です。

診断
慢性歯周炎
治療計画:THP8回コース(SRP6回)
  • THP8回コース(SRP6回)→暫間固定により前歯の清掃性が悪くなっているためTHP1回目の時に暫間固定を除去へ。
  • 前歯の治療について→THP終了後の状態をみて温存か抜歯かを判断。
    CT等で確認を行い温存可能であれば、左上1(上顎左側中切歯) 、左上1(上顎右側中切歯)根管治療後にホワイトニング、セラミック にて補綴治療へ。
  • 左下8(下左側第3大臼歯)THP終了後に抜歯へ。

治療の結果

審美性

  • 初診時 悪玉細菌優位

    歯茎が赤く腫れていて、触るとすぐに出血する状態。

  • 治療後 善玉細菌優位

    ピンク色の健康な歯茎の状態。歯の表面もツヤツヤ。前歯はセラミックをいれて更にきれいな状態に!!

歯周組織精密検査表の改善

  • 20190325
    • PCR(磨き残し):71.4%
    • BOP(出血):58.0%
    • 4~6mm(歯周ポケットの深さ):61.5%

    色がついてる箇所が多くカラフルなほど症状が悪く、磨き残し、出血、排膿、深い歯周ポケット、歯の動揺が見られます。

  • 20190717
    • PCR(磨き残し):25.0%
    • BOP(出血):1.2%
    • 4~6mm(歯周ポケットの深さ):9.5%

    磨き残し、出血、歯周ポケットの深さ共に数値が下がり、カラフルから良い状態を示すモノトーンに変化したことで歯周組織が改善されたことが解ります。

オーラルクロマ比較による
口腔内細菌の産生する
悪臭ガス(口臭)の低減

  • 初診時
  • 治療後

もともと口臭は少なかったが、細菌が産生する口臭ガスの硫化水素・メチルメルカプタンの発生が治療後更に減少しました。

硫化水素:舌や口腔内の汚れに関係、メチルメルカプタン:歯周病や虫歯に関係、ジメチルサルファイド:消化器系の内臓の臭いや服用薬に関係

位相差顕微鏡像の改善
(細菌レベルの改善)

  • 初診時 悪玉細菌優位

    悪玉細菌が多く、活動性が高い状態です。

  • 治療後 善玉細菌優位

    悪玉細菌が激減して活動性も低く状態です。

遺伝子検査リアルタイムPCR法の改善(遺伝子レベルの改善)

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重度の歯周病の原因となる3菌種(P.g菌・T.d菌・T.f菌)のレッドコンプレックス合計が基準値を大幅に超えていましたが、治療後の合計値が大幅に減少して基準値以内に治まりました。同じく基準値を超えていた極悪細菌(F.n菌)も基準値以内まで下がりました。

レッドコンプレックスとは

歯周病菌極悪3菌種レッドコンプレックス

重度の歯周病に影響があると言われている歯周病極悪3菌種(P.g菌、T.d菌、T.f菌)です。
位相差顕微鏡で確認できるのはT.d菌のみで、P.g菌とT.f菌は非常に小さい桿菌なので顕微鏡では判別できません。
そのためにリアルタイムPCR法による遺伝子診断が必要になります。
リアルタイムPCR法では、どの歯周病菌がどれだけいるかはっきりと数字で示されます。

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